美味しい世界の有名紅茶

キーマン

世界最古の紅茶産地である中国安徽(あんき)省の祁門(キーマン)県で収穫される茶葉です。「キーモン」「キームン」と呼ばれることもあります。ダージリン、ウヴァとともに世界3大銘茶の一つとなっています。

 

中国は紅茶発祥の地でもあり、現在の紅茶生産量はインドについで世界第2位です。しかし、国内での紅茶の消費量はごくわずかとなり、紅茶生産量の約10%ほどです。残りの約90%は、輸出用とされています。

 

中国の茶葉は、伝統的手法によるリーフタイプの「工夫紅茶」と、イギリス人によって19世紀末に開発された近代的機械で作られるブロークンタイプの「分級紅茶」があります。キーマンはリーフタイプの紅茶となります。

 

キーマンの収穫期は6~9月となり、収穫期間が短いため少量しか収穫できず、貴重品となっています。特に8月に収穫されるものは高品質なものが多いため、時に驚くほどの高値が付くこともあります。

 

茶葉は針状で黒褐色をしていますが、水色は黄色みのある澄んだ明るいオレンジ色です。タンニンの含有量が少ないため渋みが少なくあっさりとした味で、蘭や薔薇の花のような香りは、まさに東洋的との評価で、古くからヨーロッパで「中国茶のブルゴーニュ酒」と呼ばれ珍重されてきました。独特のスモーキーフレーバーは、昔からの複雑な製法を、近年になって簡略化させてしまったことで香りの悪い粗悪な紅茶が増えてしまったことからきていると言われています。

 

色や香り、風味を堪能するために、ストレートティーで飲むのに適しています。